【元・開発者の弁理士が伝えたいこと】知財を「事業の強み」に変える現場の視点
こんにちは、京都の弁理士・黒川です。
先日、製造業の開発者の方々(約50名)を対象に、
知財研修(90分×3回)を担当しました。
知財部向けの研修ではなく、
実際に日々モノづくりをしている開発者向けの研修です。
始めに、「知財のことを知っていますか?」「弁理士のことを知っていますか?」
と質問を投げかけてたところ、知財が約3割、弁理士が約1割という結果でした。
私の肌感覚と大体同じでしたが、
やっぱり知財や弁理士をもっと知ってもらう必要があるな、とあらためて感じました。
今回の研修の内容について
全3回で、次のような内容を扱いました。
第1回は、「そもそも知財って何?」というかなり基本的なところから。
第2回では、開発と知財の関係や、開発者がどんな点に注意すべきか。
第3回では、特許文献の読み方や調べ方、権利範囲の決まり方など実務に近い話まで幅広くしました。
まずは身近な商品やサービスの中に、実は知財が使われている
という事例をいくつか紹介しながら、
「知財って意外と身近なんだな」と感じてもらうところから始めています。
そこから徐々に話題を開発や実務に引き寄せていき、
最終的には
「自分たちの業務では、ここで知財を意識すればいいのか」
という具体的なイメージを持ってもらうことを意識した構成にしました。
制度の話は、できるだけ前に出さない
私自身、もともとは企業で開発に携わっていた人間です。
そのため今回の研修では、制度や法律の説明を前面に出さないことを強く意識しました。
代わりに大切にしたのは、次のような問いです。
- 自社の強みは何か
- どこで他社と差別化しているのか
- その技術やアイデアを、どう社会に実装していくのか
知財を「特許制度の話」としてではなく、
事業や開発の思考そのものとして捉えてもらうことを目指しました。
特許の新規性・進歩性は「差別化思考」そのもの
開発の現場では、どうしても
「自社製品をどう良くするか」
「技術をどう実現するか」
といった、モノづくりの“内側”に目が向きがちかもしれません。
もちろん、それはとても大切な視点です。
ただ一方で、特許の要件である 新規性・進歩性 を考えていくと、
それは単なる制度上の条件ではなく、事業の差別化ポイントそのものだと感じます。
「市場はどうなっているのか」
「他社とどこが違うのか」
「お客様が本当に価値を感じる部分はどこなのか」
こうした問いを持ちながら開発を進めていくことは、
結果的に 企業の強み(技術)の価値を言語化し、それを社会に届けること につながります。
現場の質問を聞いて感じたこと
研修中は、現場ならではの質問もたくさんいただきました。
過去の経験を踏まえた知財の成功例・失敗例、
権利化前の段階で注意すべき点、
さらには、日々の開発の検討過程や意思決定を
将来に向けてどのように残しておくべきか等々
開発者自身が知財に関して、日々の開発業務において
どのように考え、どう行動すべきか
という視点だったのが印象的でした。
やり取りを通じて、
知財は決して遠い専門領域ではなく、
開発者の思考と地続きのテーマなのだと、あらためて感じました。
まとめ
知財というと、
「法律の話」「特許を取るためのもの」といった、
事業や開発とは少し離れたものとして捉えられがちです。
でも今回の研修を通じてあらためて感じたのは、
知財は決して別個のものではなく、
事業や開発をどう考えるか、その“視点”の一つだということです。
今回の研修で、
開発者の方々が知財を少しでも「自分ごと」として捉えてくれたなら、
大変嬉しいですね。
こういう研修・セミナーの話は、
「へ~そうなんだ」「面白い!」だけで終わってしまうともったいなく、
明日から何か一つでも行動が変わることが大切だと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
👨⚖️ 黒川弁理士事務所|代表 弁理士 黒川陽一(京都)
✉️ 初回30分無料!お問い合わせはこちら
🌐 スタートアップ・中小企業の経営に役立つ知財情報を発信中!
#知財研修 #開発者向け研修 #製造業支援 #知財と開発 #特許 #弁理士 #中小企業支援 #スタートアップ支援 #知財の伴走者





