【私のユニークなキャリア】顧客・技術・知財の3つの視点を持つ弁理士

――私の知財キャリアの出発点

私は新卒でオムロン株式会社に入社し、営業技術として実習を積みました。
オムロンでは、ユニークな教育制度がありまして、開発に配属される社員が営業の現場を経験します(営業に配属される社員は開発の現場を経験)。目的は、「お客様の声を直接聞くことで、より良い商品開発につなげること」。私はこの制度を通じて、製造業の現場に足を運び、お客様のリアルな声に耳を傾ける経験を得ることができました。

FA(ファクトリー・オートメーション)事業では、センサ、制御機器、ロボットなど多様なプロダクトが組み合わさって現場が成り立っています。
私は後に制御機器の開発に携わることになりますが、営業技術としての実習で学んだのは、「一つの製品を深く理解するだけではお客様の課題は解決できない」ということでした。

お客様が求めているのは、技術そのものではなく、「課題解決」そのものです。課題に応じて複数の技術や製品を組み合わせ、現場全体にとっての最適解を導き出す――この発想が、私の中に深く刻まれました。

営業技術→開発→知財という珍しいキャリア

弁理士には「開発から知財へ」という経歴の方も多くいらっしゃいます。
しかし、私はその前段として営業技術として顧客の現場を知る経験をしています。
つまり、

顧客視点(営業技術) → 技術視点(開発) → 知財視点(弁理士)

という三層の経験を経て、今に至っています。

この経験の積み重ねにより、私は「技術をどう守るか」だけでなく、「そもそも何のための技術なのか」「誰にとって価値があるのか」を考える視点を持つことができました。
知財を、単なる法的手続きではなく、経営や事業を支える道具として扱うスタンスは、ここにルーツがあります。

独立後、再びお客様の声に触れて

開発や知財の仕事では、どうしてもお客様と直接話す機会は限られがちでした。多くの場合、営業部門や企画部門を通じて情報を受け取る形になります。

しかし今、私は独立した弁理士として、お客様と直接お話しし、課題をうかがい、それに応じた知財の支援を行っています。
まさに、**営業技術の現場で学んだ「現場の声を聞く力」**が、今の仕事にも活かされています。

もちろん、課題に対して直接向き合う分、難しさもあります。けれど、それ以上に、お客様に「助かった」「これで前に進める」と喜んでいただけたときのやりがいは、何にも代えがたいものです。

現場の声を聞き、技術を理解し、知財で支える。
私の知財のスタイルは、これまでのすべての経験の延長線上にあります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

🧑‍💼 黒川弁理士事務所|代表 弁理士 黒川陽一(京都)
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