【経営戦略ピラミッド図解】知財戦略との連携が鍵!企業の成長を加速させる戦略思考
京都の弁理士、黒川陽一です。
企業の持続的な成長と目標達成に不可欠な「経営戦略」。その全体像は多岐にわたり、どこから手を付ければ良いか迷う方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、経営戦略の全体像を「経営戦略ピラミッド」図で分かりやすく解説します。このピラミッド図を理解することで、自社の戦略をより深く理解し、効果的な戦略立案、そして知財戦略との連携に繋げることができるでしょう。

経営戦略ピラミッドとは?一貫性のある戦略立案のフレームワーク
経営戦略は、企業の規模や事業内容に応じて様々な階層に分けることができます。その階層構造を視覚的に表現したものが「経営戦略ピラミッド」です。このピラミッドは、企業の根幹となる理念から、日々の業務レベルの戦略まで、一貫性を持たせるための重要なフレームワークとなります。各階層が有機的に連携することで、企業は全体として目標達成に向けて効果的に機能します。
経営戦略ピラミッドの各階層を徹底解説
それでは、経営戦略ピラミッドの各階層について詳しく見ていきましょう。
1. 経営理念:企業の存在意義と普遍的な価値観
経営理念は、企業の目的(=存在意義)を表す最も上位の概念です。「何のためにこの企業は存在するのか」「社会にどのような価値を提供するのか」といった、企業の根本的な価値観や使命を示します。これは、企業のすべての活動の拠り所となるものであり、長期的な視点で変わるものではありません。経営理念は、企業のDNAと言えるでしょう。
2. ビジョン:目指すべき将来像と目標
ビジョンは、経営理念に基づき、企業が将来的にどのような姿を目指すのか、どのような目標を達成したいのかを示すものです。「数年後、自社がどのような状態になっていたいか」という具体的な将来像を描くことで、社員のモチベーションを高め、組織全体を同じ方向へ導く役割を果たします。ビジョンは、社会情勢や市場の変化に合わせて見直されることもあります。
3. 企業戦略(=成長戦略):全社レベルでの事業領域と資源配分
企業戦略(別名:成長戦略)は、ビジョンを実現するために、全社レベルでの事業領域(ドメイン)や経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の最適な配分を決定する戦略です。どの事業に注力するのか、どのような市場で競争するのかといった、企業の成長の方向性を定める重要な戦略です。M&A(エムアンドエー)や新規事業への参入などもこのレベルで検討されます。
4. 事業戦略(=競争戦略):個々の事業における競争優位性の確立
事業戦略(別名:競争戦略)は、企業戦略で定められた事業領域において、個々の事業部門(SBU:Strategic Business Unit)がどのように競争優位性を確立し、市場で戦っていくのかを決定する戦略です。競合他社との差別化を図り、市場シェアを獲得するための具体的な方法を検討します。製品開発戦略、価格戦略、販売チャネル戦略などがこれに含まれます。
5. 機能戦略:事業戦略を実行するための各部門の活動計画 - 知財戦略の位置づけ
機能戦略は、事業戦略を実行するために、各機能領域(営業、開発、生産、人事など)がどのように具体的な活動を行うのかを定める戦略です。例えば、営業戦略では具体的な販売目標や顧客開拓の方法、開発戦略では新製品の開発計画や技術戦略などが策定されます。各機能が連携し、事業戦略の目標達成に貢献することが求められます。
そして、この機能戦略の中に、企業の知的財産(知財)に関する戦略、すなわち「知財戦略」が含まれています。
大手企業では、知的財産部門が設けられ、知財戦略の立案と実行が行われています。しかし、最も重要なのは、知財戦略を単に策定するだけでなく、企業の根幹である事業戦略と緊密に連携させることです。「知財」はあくまで事業目標達成のための手段であり、「事業ありき」という視点が不可欠です。
まとめ:経営戦略ピラミッドを理解し、知財戦略との連携で成長を加速
経営戦略ピラミッドは、企業の「なぜ(経営理念)」から始まり、「どこへ(ビジョン)」、「どのように(企業戦略、事業戦略、機能戦略)」進むのかを示す、羅針盤のようなものです。各階層の戦略が整合性を持ち、一貫した方向に向かうことで、企業は持続的な成長を遂げることができます。
ぜひこの経営戦略ピラミッド図を参考に、自社の経営戦略を見つめ直し、そして、事業戦略と深く連動する知財戦略を策定・実行することで、更なる成長に向けて戦略を磨き上げていきましょう。知的財産を戦略的に活用することが、競争優位性を確立し、未来を切り開く鍵となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
黒川弁理士事務所|代表 弁理士 黒川陽一(京都)
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